第11章 珈琲色
ニ「山王さま…」
大「和…」
二人の唇が、また近づいていく。
極至近距離で、のさまじょはそれをガン見している。
大「のあっ…」
二「わあっ…」
のさまじょの視線に気づいた二人は大慌てで離れた。
二「なっ…なんなのよっ!このリスっ…」
大「わ、わあ…俺、またニノとちゅーするとこだった…」
の「むふふふ…私のことはお気になさらず…さあ!」
二「い、嫌だよっ…」
の「さあっ!」
大「あ、そう?じゃあ…」
大野が目を閉じて、唇をたこさんにして二宮に迫る。
二「ぷぎゃーっ!」
ばいんっと大野の身体は吹っ飛んでいった。
二「ば、ば、ばかあっ…!」
大「に、ニノぉ~…」
二「にのぉ~じゃないわよっ!ほんとおバカなんだからっ!」
プリプリ怒ると、二宮は大野の着ていた衣装を羽織ってスタジオを飛び出していった。
大「ニノ…」
涙目の大野はその場に取り残されてしまった。
の「大野さん…女心と二宮のご機嫌は秋の空と言います…どうか、元気を出してください…」
大「ううう…俺、嫌われたかなあ…13000円おごったのに…焼肉…」
の「またチャンスもありましょう…」
ぐったりして床に伏してしまった大野を放っといて、のさまじょは次の台本を広げた。
の「大野は暫く使い物にならねえな…じゃ、次は櫻葉でいくかあ…むふふふふ…」
不気味な笑いを残すと、のさまじょはスタジオを飛び出した。
の「お次の方、どおぞおおおお!」