第11章 珈琲色
-二宮side-
カタカタと窓枠が鳴ってる。
海風が窓に吹き付けてるんだ。
「…外…寒そぉ…」
「ああ…もう、息白かったよ…っく…あ、そうだ…」
「あんっ…やだぁっ…」
突然、翔さんが俺から出ていったと思ったら、いきなり姫抱っこされた。
「ヤじゃないだろ…ほら、窓の外、見せてやるよ…」
その男らしい腕に抱えられ、くるんとシーツを被せられると寝室を出てリビングの窓辺に立った。
カーテンはだらしなく少し開いてたから外が見えた。
「見てみろよ…星空、すげえ綺麗だぞ」
「わ…ほんとだ…」
「海風が強いから…空気がキレイなんだろうな…」
よっと俺を片手で抱えると、もっとカーテンを開けてくれた。
まっくろな大空に、きらきら瞬く無数の星々が見えた。
「きれい…」
「おまえ…そうやってると、まるっきり女だな…」
「へ?」
「かわいいっつってんの」
ちゅっと額にキスされると、なんだか猛烈に恥ずかしくなってきた。
「ど、どうせ男らしくないですよーだ!」
「そんなこと言ってねえだろ?すぐ拗ねるんだから…」
うーって拗ねてる俺に何回も何回もキスしてくれて、翔さんは俺をその場に下ろした。
「……?なにするの?足、冷たい…」
「窓に手ぇついて」
「え?」
にやりと邪悪な笑いを見せた。
「ここでいれてやんよ」