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カラフルⅣ【気象系BL小説】

第11章 珈琲色


「ねえ、最近大野さん変じゃない?」

ニノが楽屋で小さな声で話しかけてきた。

「…おまえも気づいた…?」
「うん…なんか、映画の話決まってから変よね…?」
「ああ…」

おーちゃんは今、楽屋の隅の鏡前に陣取って台本を読んでる。
いつものように、微動だにしないでじっと本を見つめてる。

「…相葉さんも気づいてるくらいなら、皆気づいてるよね…」
「おい…」
「だって事実でしょうよ」
「そうだけどさ…」

メイクも衣装も全員終わって、後は今日の打ち合わせが始まるのを待つだけ。

潤はパソコンを広げてなんか見てるし、翔ちゃんはタブレットでニュースを読んでる。
それぞれが思い思いに過ごす時間だけど…

なんとなく俺とニノはおーちゃんの背中を見つめた。

ふと、潤も顔を上げた。
俺達の視線に気づくと、潤もおーちゃんを見つめた。
翔ちゃんもいつの間にかおーちゃんの背中を見てる。

…やっぱり、皆気づいてるんだ…

おーちゃんは、自分の世界に入っててこちらのことなんて気づいても居ない。

時々顔を上げて、鏡の中自分を見つめてはセリフをぶつぶつと呟いてる。

声が小さいから何を言ってるのかはわからない。

でも、その瞳は…


まるで恋でもしてるみたいに潤んでた


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