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カラフルⅣ【気象系BL小説】

第9章 ミント-before-


やっぱり…何を話したらいいかわからない。

二人っきりだと、本当にもうどうしていいかわからない。

いつもはスタッフさんとかがいるからなんとかなってたけど、今日は人が少ない。
ガランとした控室で二人っきりで、黙々と弁当を食べた。

もしも…大野さんが辞めたがってて…
どうしても自由になりたいというなら、もう俺にはどうしようもない…

こんなに嫌がってるのに引き止めたら、この人死んじゃうかもしれない。

ふと、そんなことを思った。

思って大野さんの顔を見たら、俺のこと見てた。

「…なに?」
「…いや…」

また弁当に向き直って、黙々と食べる。

本当は、離れたくない。
離したくない。
だけど、この人が死んじゃったら…本当に二度と会えなくなる。

そこまで思い至って、ようやく俺は諦めが付いた。

ちょうど10周年…
これを最後の挨拶にして、大野さんが辞めてしまっても…

…いいじゃないか…

「ニノ…?」

大野さんが呼ぶから顔を上げた。

「どうした?食ってないけど…」
「あのさ」
「ん?」
「辞めたいの?嵐」
「えっ?」
「ううん…芸能人、辞めたいの?」
「ニノ…」

控室の中はしんとしてた。
俺達の他には、誰も居なくなってた。

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