第9章 ミント-before-
大野さんの打ち合わせが終わる頃には、翔ちゃんも相葉さんも楽屋に入ってきてた。
2人の打ち合わせの最中から、俺と大野さんはやることがなくなっちゃって。
リハのDVDをポータブル再生機で見ながら、ふたりでソファに座ってボケッとしてた。
ふと気づいたら、大野さんが隣で寝そうになってる。
「大野さん?ちょっと横になったら?」
「んー…」
目をこすりながらキャップを取ると、テーブルに放り出した。
「やべえな…ねみい…」
「まだステージからはなんも言ってきてないから、寝てなよ。起こしてあげるよ」
「んあ…」
まだ建込みが一部終わってないとかで、ちょっと時間には余裕があるみたいだった。
楽屋もバタバタした雰囲気じゃなかったし。
「ちょっと貸して」
ぼすっと大野さんは俺の膝に頭を載せてきた。
「ちょっと…重い…」
「いいだろ…いつも俺が膝貸してるんだから…」
「わあったよ…」
腿に乗っかる体温がなんだか嬉しい。
そっと髪に手を置くと、さらさらと撫でてしまった。
「ん…それ、気持ちいい…」
「…寝ちゃいな…」
まぶたに手を置いたら、その手をガシッと掴まれた。
「えっ…」
その手を大野さんは抱え込むようにしてしまった。