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カラフルⅣ【気象系BL小説】

第9章 ミント-before-


ごめん…大野さん…

本当は俺だってあなたに自由で居てほしいよ…

だけどさ…それを認めたら…

俺はあなたにもう二度と会えないだろう

会うことができなくなるだろう


密かに思うだけのこの気持ちは、行き場がない


だから…あなたをここに縛り付けておきたいんだ…



「…ごめん…ニノ…もう言わないから…」
「知らない…」
「ごめんな…」
「知らないもん…」

大野さんは身体を離して俺の顔をじっと見た。

「…ちゃんとやりきるから…ね…?見てて、ニノ」

大野さんの指が俺の頬を拭っていく。

「俺、知らないもん…」
「わかったから…な…?」

後から後から涙はこぼれ出て、止まらなかった。

不意に大野さんの顔が近づいてきたかと思ったら、目尻に溜まった涙を吸い取っていった。

「…っ…なにすんのよっ!?」
「ニノの涙って…綺麗だなと思って…」
「はあ!?綺麗なら舐めるわけ!?気持ち悪っ!」
「あ、そういうこと言うなよ…」
「やーだ!もう!近寄るな!」
「にーのぉ…」

唇の感触が、気持ちよかった。
温かかった。

いつまでもほてりが引かない顔を、ずっと大野さんから逸し続けていたら、いつの間にか笑ってた。

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