第9章 ミント-before-
宿題くんの収録のときだった。
「なんか最近、大野の様子がおかしくないか?」
翔ちゃんのマネにそんなこと言われて…
「そう?釣り行って真っ黒になってるだけじゃないの?」
「はぁ…もう勘弁してほしいな…」
マネの中でもとびきり古くから俺たちに付いているこの人は、チーフよりも俺達のこと知ってる。
だから、メンバー全員のことに目が配れるんだ。
収録前の楽屋はざわざわしてて。
俺と、翔ちゃんのマネが喋ってても誰も気にかける人は居ない。
「二宮、なんか聞いてないの?大野から」
「え?何をよ」
「…辞めたい、とか…」
「ええっ…!?」
ボリボリと翔ちゃんマネは頭を掻いた。
「…いや、変なこと言ってすまなかった。忘れてくれ」
「や、ちょっと待ってよ…」
聞き捨てならないことを言う。
「なんでそんなこと思うわけ?」
「…いや…ただの勘なんだけどな…」
翔ちゃんマネは最近の大野さんの様子が気になって、大野さんマネに話を聞いたそうだ。
最近、仕事に身がはいってない…そう、大野さんマネは言ったそうだ。
「そんなの昔からじゃん…」
「いや、そうなんだけどな…最近のはちょっと…」
なんでこんな時期に…
嵐の人気がじわじわと上がってきて、やることなすこと当たってる。
来年には10周年が待ってる。