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カラフルⅣ【気象系BL小説】

第8章 ディープパープル















あの日、子犬のように泣く声が聞こえた。


だけど、次に会った時はもう普通に戻ってた。
なにか言いたそうにしてたけど、それでも堪えてお前は笑ってる。




わかってるよ…




俺のやってることは、おまえの一番大事なものを壊すこと




でもね




俺は早く壊れたいんだ




壊して壊されて…



無になりたいんだ





「大野さん…」

隣に座るおまえが、俺の服の裾をきゅっと掴む。

「なあに?ニノ」
「…ううん…なんでもない…」

きゅっと唇を噛み締めて俯くおまえは美しい

残酷なほど美しい


でも、おまえは彼のもの


……おまえが壊さないなら、俺が壊してやる


おまえの人生に…俺の痕跡を
忘れられない痕跡を


ふと目の前のソファを見ると、俺の顔を食い入るように見つめる目があった。

二人はもう気づいてる。

気づいて、俺とニノを切なげな目で見つめるんだ…

もっと


壊してあげる


俺と同じ場所に堕ちよう?


「お次どうぞ~」


楽屋に満ちる暗い空気に、太陽みたいな彼の声が聞こえた。

「リーダー?次だよ?」

ポンと肩を叩く手は、温かい。

置かれた腕を辿って、彼の真っ直ぐな瞳を見つめ返す。

「ん?どうした?」
「…ううん。なんでもない…」

つっと腕を辿って、彼に縋りながら立ち上がる。

「ありがと…相葉ちゃん」

その胸に凭れるように見上げると、きれいなガラス玉みたいな瞳の奥が揺れた。

微笑みかけると、ぎこちなく微笑み返す











次は…君だよ




【END】

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