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カラフルⅣ【気象系BL小説】

第7章 グレイ scene5


『今日は…だめ…』

電話越しの声が、泣いていた。

「なんでだよ…っていうか、お前何泣いてるんだよ?」
『泣いてなんかない』
「は?じゃあ、その鼻を啜る音はなんなわけ…」
『かふんしょー!』
「潤…いい加減にしろよ?」
『だから、泣いてなんかないもんっ…』

今日の収録、終わったら潤がさっさと帰ってしまった。
俺の顔見て、なんか泣きそうな顔、ずっとしてるしさ…

…っていうか、顔、腫れてたんだよね…

泣いてたんだろ。
俺にはわかるんだよ?

「わかった…かふんしょーでいいからさ…とにかく家、行くから」
『だ、だめって言ってる…』
「とにかく行くから。家に居なかったらぶっ殺すからな」
『翔くっ…』

最後まで聞かないで、通話を終了した。

「櫻井…」
「聞いてただろ?俺のカノジョんとこ行って?」
「わあったよ…ったく、お前はそのSっ気、潤にだけ全開だよなあ…」
「はあ?あんたにもしてほしいわけ?」

チーフは首を竦めた。

「あほう。そういうのは恋人とやってくれや」

車は、いつもよりも早いスピードで港区に向かっていた。

そう。
俺と潤は、付き合ってる。
もちろん潤が女役。
俺にできるわけがない。

だから…潤は俺のカノジョってわけ。

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