第6章 ショコラ scene4
「お疲れ様ー!」
「お疲れー!今年もよろしくなー!」
へべれけとはああいうことなんだろうというくらい酔っ払った仲間たちと別れて、大通りを目指す。
「今日も遅くなったなあ…」
タクシーを拾って…ここから家に帰ったとして…
「げ…もう丑三つ時じゃん…」
時計を見たら、もう深夜の2時。
明日から福岡なのになあ…
新年会だからって調子に乗った。
朝の8時には集合なのに。
まずったな…
「潤ー!」
後ろから俺を呼ぶ旬の声がした。
「おまえどこいくの?」
「あー。そこの大通りでタクシー捕まえて帰るわー」
「まじで?」
歩み寄ってきた旬が、前方を指差した。
「じゃあ、あそこにアンダーパスがあるから、そこを通ったら大通りの反対側に出られるから」
「まじで?さんきゅ」
「明日から福岡だろ?がんばれよ」
「おう。じゃあな」
「じゃあな、潤」
手を振って旬と別れると、教えられたアンダーパスを目指す。
「うわ…暗い…」
でも上の道路には、こんな時間だと言うのに車がビュンビュン走ってる。
「早いとこ帰ろ…」
急いでアンダーパスのトンネルに入った。
オレンジ色の光が、トンネルの中を照らしてる。