第6章 ショコラ scene4
「おきてーーーー!」
「うわわわわ!」
新年早々、叩き起こされた。
「なっ…なんだよ!雅紀!」
「翔ちゃん、あけましておめでとう!」
そういってベッドに正座した雅紀が差し出したのはお年玉のぽち袋だった。
「は?え?お年玉?俺に?」
「うん!今年からリーダーの真似して俺もやるの!」
「ほぉ…いや、まあ…くれるというなら受け取るけど…」
あけましておめでとうの挨拶も、NHKホールでやってんのに、こうやってお年玉渡すものだと思ってんのかなぁ…
しょうがないから雅紀に向かい合って俺もベッドの上で正座して、パジャマのまんまなんだけど両手でぽち袋を受け取った。
「ありがとうございます」
「いえいえ…さ、着替えてきて?おせちとお雑煮用意したから」
雅紀は俺よりも器用に料理をするから、家では炊事の担当になってる。
俺は洗濯と掃除。
いや、掃除と聞いてずっこけんなよ?
最近がんばってるんだから。
雅紀の実家で仕込んでくれたおせちは、やっぱり中華風。
お雑煮は雅紀んちのおばあちゃんに教えてもらったそうだ。
ダイニングテーブルに付くと、豪華なおせちのお重とお椀に入るお雑煮が運ばれてきた。