第5章 こひくれない
「いいのに…」
「だめだって」
「翔くんのくれるものは…痛みだってなんだって…俺、引き受けるよ?」
「え…?」
「まるごと…ちょうだい?…翔くんを…」
俺の手からパッケージを取りあげた。
そのままゆっくりと俺をベッドに押し倒した。
ああ…同じなんだな…
俺たち、一緒なんだな…
「こいよ」
潤を引き寄せて抱きしめると首筋をキツく噛んだ。
「んっ…ぁ…」
立ち上がって床に落とした俺のシャツを掴んだ。
身体の中の荒れ狂う本能に逆らえなかった。
「じゃあ…やるよ」
「翔くん…」
「全部やるよ。お前に…」
「うん…」
ゆっくりと潤は両腕を差し出してきた。
シャツでぎゅっとそれを括ると、潤の身体が更に鮮やかな紅に染まった。
あの時――
俺は潤のシャツで両腕を縛った。
あの時よりもキツく縛った。
縛り付けた。
そう…もう離れないように
離れられないように
「もっと…硬くして…?」
哀願するような目を俺に向けると涙をこぼした。
「今日はそれで我慢しろ」
乱暴に身体を横たえると、潤の両足を掴んだ。
そのまま大きく開くと、さっき解したそこがひくひくと俺を待っている。
「は…やくっ…翔くんっ…」