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カラフルⅣ【気象系BL小説】

第4章 エバーグリーン


31日―――

朝、家を出るとき珍しく玄関まで見送りに来てくれた。

「いってらっしゃい、まーくん」
「うん。行ってくる」
「…がんばってね?」
「おう」

嵐自体のリハは、もうちょっと後だから入り時間が違う。
俺は一足先にNHKホールに入ることになってる。

靴を履いて立ち上がると、ぽすっと背中に温かさ。

「ニノ…」
「応援してるから…ずっと…」
「うん…」

ぎゅっと前に回ってきた腕を握って、身体の向きを変えた。

「いってきます、ニノ」

身体を離そうとしたら、ぎゅっと抱き寄せられた。

「待って…」
「ん?」
「い…い…」
「何?」
「いってきますの、ちゅーするの!」

びっくりした拍子に、ちゅっとキスがやってきて…
真っ赤な顔をしたまま背中を向けた。

「いってらっしゃい!まーくん!」

耳どころか、首まで真っ赤。

「うん…」



ありがとう…



たとえ、俺が紅白しくじらないためにしてくれてることだとしても…
好きって言ってくれたの、凄く嬉しかったよ…


だから、今は…


もうちょっと、甘えさせて



「いってくるよ。ニノ」

後ろから引き寄せて抱きしめると、頬にキスして家を出た。



18:45――



楽屋に一旦戻った。

「あー!相葉ちゃん、大丈夫!?」

メンバーが声を次々に掛けていく。

「うん!大丈夫っ、すぐ戻るね!」

タオルを掴んで戻ろうとした腕を引っ張られた。

「わっ…」

後ろに転けそうになって誰かに受け止められた。

「ニノ…」
「まーくん、慌てすぎ!落ち着いて!」
「お、おうっ…」

ぽんと背中を叩かれた。

「しっかりね!ずっと見てる」

にこっと笑った笑顔は、天使だった。

「おう…見てろよ!絶対やりきってやるからなっ!」

ニノはにやっと笑うと親指を立てた。

「それでこそ、俺のまーくん!しっかりね!」
「…え…?」
「んだよ。俺の、だろ?」
「え?うん…」
「さ、行った行った!」

ポケットに、何かねじ込まれた。

「愛、入れておいた」






袖で見てみたら、のど飴が入ってた。









ポケットから、愛―――








【END】
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