第3章 萌葱-moegi- scene2
「智…」
「むふ…ね、お風呂入ろ?これね、大したことないから…」
「ほんとに?」
「うん…大丈夫」
ぎゅっと雅紀の手を握った。
「…来てくれてありがとう…すっごく、嬉しかった」
「智…」
「会えないと思ってたからさ。だから、すごく嬉しい」
「ごめんね…?ほったらかしにして…」
「しょうがないよ。忙しいんだからさ。さ、お風呂行こ?」
二人でゆっくりとおふろに浸かって、出てきたらすぐに寝室に入った。
そのまま俺たちは抱き合って眠った。
雅紀の腕は温かくて…
相変わらず、温かい…
ずっと、この腕に守られてきたんだ。
だから…俺も雅紀を守りたい。
そう思いながら眠りについた。
夢も見なかった。
次の日の朝、雅紀は早くに出ていった。
やっぱり仕事が詰まってて大変みたい。
それを見送ってから、俺も仕事の準備をしていたら、潤からラインが入ってた。
今晩、話せないかって。
大丈夫と返事を打って、家を出た。
その日は色々考えることがあって、なかなかぼーっとできない一日だったけど。
でも、やっぱり俺がきちんとしなきゃって、その思いだけは深まった。
とにかく何が起こっているのか。
それを知る必要がある。