第16章 新しい世界
気持ち良かった。
それはそれは、ものすこく。
淫らに喘ぐ自分を険悪とも言えるような、悩まし気な表情で見下ろすファンドレイは酷く色っぽくて。
そうやって見つめられるだけでも身体が反応して、さらに彼のあそこに自分から擦りつけてしまった。
局部にそういう、とても感じる部分があるのは知っていたけれど、まさか、あんな風に。
(あ、あんな、あんな……ぐりぐりされたら…っ)
熱くて硬い陰茎が股の間を前後する度に擦れて、ぐちゃぐちゃになって。
乳首だって、あんなにいじられたらツンと勃ってしまう。
果てたあと、そのまま眠ってしまったジョエルは今、恥ずかしくてベッドの上を悶え転がりたい気持ちで一杯だ。
しかしファンドレイがジョエルを背後からしっかり抱きしめたまま眠っているため、微動だにできない。
規則正しい寝息のはずが昨夜の熱い吐息を思い出させてくる。
すると同時に、脳裏にあの目が浮かんでくる。
(――えっ?!)
とろ、と奥から濡れてきたことに気づいてジョエルは身体を固くした。
下腹部が疼く。
太ももをこすり合わせたくなる感覚にジョエルは焦った。
腰のあたりにあるファンドレイの手を意識してしまう。
この手で、この指でまた触れられたい――。
(わ、わわ…! なんてはしたない……っ?!)
さわ、とファンドレイの手が動いた気が。
(……気のせいかしら?)
すすす、と肌をなぞりながらピタリと胸で止まった。
そして明らかに意思を持って動き出す。
(ふぁ、ファンドレイ様?!)
ふよふよと胸の膨らみを揺らすように触ったかと思うとキュッと乳首を摘まれた。
「っ!」
ジョエルは思わず身体を固くする。
望んでいない展開、というわけでもないけれど、でも。
どうすればいいかわからず、ジョエルは寝ているフリをする。