第2章 シュタイン
「ゼノ様どうやら隣国で内乱が起きている模様です」
「内乱か.....」
朝日が昇って辺りが明るくなると森の向こうに煙が見える
「んっ..あれってどこの国の人かな?」
森の入り口付近にキャラメル色の髪の少女の手を引き走っている女性が見えた
とその時、女性が少女を突き飛ばし後ろから追いかけて来たであろう鎧の男に斬られた
「アル、ユーリ行くぞ!」
急ぎ森の入り口へと馬に乗り向かう
たどり着いたころには男の姿は無く女性が1人横たわっていた
「おい!大丈夫か!?」
アルバートに抱き起されうっすらと目を開く
目線だけを横にずらしゼノを捉えると
「ゼノ..様..娘を..萩を..お助け..下さ..
あの..は..わ..く..の..ぼ....」
最後まで言葉を紡ぐ事が出来ず力尽きてしまった
そっと地面に寝かし上着をかける
「アル、ユーリ急ぎ萩を探す!」
『はい!』
はぁはぁ
走り続け胸が苦しくなり建物の陰で息を整える
「母様....うっっ」
頑張って走って来たが母の姿を思い出しその場に座り込んで泣き出してしまった
「見つけたぞ..貴様に生きていられると困るのだ死ね!!」
ハッと声がした方を見ると鎧の男が剣を振り下ろしてきた、迫りくる恐怖に目をギュッと瞑る
ガキィッーと音が鳴る
恐る恐る目を開くと背中が見える
「誰?」
「君が萩ちゃん?僕の名前はユーリ、よろしくね🎵」
緊迫した場面にも関わらず笑顔で挨拶をしてきた
「何を呑気に挨拶などしているユーリ!」
「アルはうるさいな~萩ちゃんが怖がるでしょ」
敵を前にして喧嘩を始めた2人
後ろから現れたゼノが
「お前はどこの国の物だ?ここはシュタイン、俺の国だ」
鎧を着た男はちっっと舌打ちをして
「邪魔をするな!!」
隠し持っていたナイフを投げつけた
「!!!!!」
ナイフは胸に刺さり萩はゆっくりと倒れていく
「これであの国は....様の物だ」
踵を返し森の中へと走り去っていく