第2章 出逢い
「えっと…まつりです。」
「まつり…か。よろしくな。」
そう言って、楽さんがわたしの頭をぽんぽんと撫でた。
顔がまるで火をつけられたみたいに熱くなる。
「こ、こちらこそ、よろしくお願いします…!」
楽さんはフッと笑ってから、
「そういえばお前、自分が何者なのか聞いてたよな…?
記憶、無くしたりしたのか…?」
と確かめるように、真面目な顔になって尋ねた。
「…はい。
わたしが覚えてるのは…」
夢のことを話そうとしたとき、
『ぐぎゅぅぅー…』
と、わたしのお腹が鳴いた。
「あっ…!?」
突然のことに恥ずかしくなって俯いた。
そんなわたしの頭をファサッと軽く撫でて、
「飯、用意するか。」
楽さんはまた、フッと笑った。