第4章 愛
…が、足音が近づく音はピタリと止み、代わりに頭を撫でる感覚がやってきた。
ゆっくり目を開けると、安心したような表情でわたしを見つめる楽さんが居た。
「心配しただろ…。どこ行ってた?」
「ごめんなさい…。
わたし、普通の人間の大きさになりたかったんです…。
やっぱり、わたしに出来ることしたいです…!」
楽さんに会えて安心したのか、涙が次から次へと溢れてきた。
「バカだな…。まつり、お前は俺の傍に居るだけでいいんだよ。」
そう言って、わたしの小さな手に優しい口付けを落とす。
「俺は、まつりが好きだ。」
初めての告白に心臓が鳴り止まない。
すると…七色の光がふわーっとわたしを包み込んだ。
「なっ!?お前…っ!」
気がつくとわたしは普通の人間の大きさになっていた。
「楽さん…。
わたしは、楽さんの愛情で元の大きさになれたんです…!
…わたしも大好きですっ!!」
楽さんはまるで壊れ物を扱うように優しく、だけど、離さないようにわたしを抱き締めた。
わたしも抱き締め返そうと腕を動かすと、楽さんは離れてしまう。
「まつり…。」
楽さんは愛おしそうにわたしの目を見て、お互いに惹かれ合うように口付けをした。
これからもずっと、一緒に居たいな…。
そう思ったとき、楽さんが微笑んだ気がした。
—fin—