第3章 真実
楽さんと出会ってから、はやくも一ヶ月が経った。
楽さんはあの日からわたしを家に住まわせてくれていて、わたし用の小さな布団や洋服も用意してくれている。
そしてわたしは、ふと思った。
アイドルとしての仕事だけでも忙しいはずなのに、文句ひとつ言わず、優しくわたしのお世話をしてくれている楽さんに何かお礼がしたいな、と…。
色々と悩んだ結果、楽さんに少しでも休んでもらえるように家事をしようと考えた。
ちょうど楽さんは仕事に出かけているし、バレないようにするには今がチャンスだろう…。
「まずは、掃除してみようかな…。」
楽さんはよく掃除機を使ってゴミを吸い取っている。
わたしは家中を歩き回って掃除機を探した。
「あっ、あった!!」
けれど、わたしの小さな身体に弱い力では掃除機はピクリともしない。