第1章 最悪な出会い
パンッパンッ
『んっ……ぁ、あっ』
「っ、出る……っ」
『んんっ……ぁは、全部もらっちゃうね♡』
肌のぶつかり合う音と、男の呻くような声。
いつもと同じような光景を眺めながら私は男のモノを締め上げ射精させる。
ビュルルッ
勢いよく出た精子は私の子宮に注がれて私の栄養になるのだ。
『はぁ……ごちそうさまっ』
男を見下ろすと泡を吹いて痙攣していた。
あーぁ、もう死んじゃうんだ。
馬鹿な男、そう思いながら私は服を着て羽を広げ窓の外へと飛び立つ。
『お腹いっぱいになったし……少し場所を変えてみようかな』
次はどんな男にしようか……考えるだけで顔が緩んでしまう。
夜の街を羽ばたきながらいい匂いを探す。
まだ会った事は無いが、どうもいい匂いのする男は自分との相性が良いらしいのだ。
『まぁでも、私は相性とかよりお腹が満たされたらそれで良いんだけどね♪』
と、その時甘い香りがしてきて、つられる様に尻尾が揺れる。
その場に止まり匂いの場所を探す。
『甘い匂い……どこ? どこから、この香り……近いはず!』
必死に探して、やっと見つけた。
1人で歩く男、こんな夜中に不用心だなぁと思いながら私はスタスタと歩く男の前に飛んで行く。
『ねぇねぇ、お兄さん♪ こんな夜中にどこ行くの?』
「えっ……あ、帰るところですが」
『そーなの? 遅くまで大変だね……ねぇ、ちょっとだけ私と、イイことしない?』
「い、いやぁ……そんな事出来ないですよっ。 だって貴女、あ……悪魔、ですよね?」
オドオドっとしながら答える男を見て、落とせると確信した。
『まぁね! でも大丈夫だよ。 すーっごく気持ちよくなれるんだから、ね』
男の胸に手を滑らせながら耳元で甘い誘惑を掛けていく。
いつもなら男はここで私の誘惑に落ち、食事の時間となるのだが……今回は違った。
「なるほど……淫魔、か」