第32章 姉の二回戦
腕まだ痛いけど、なんとか風を…
飯田
「君の風の威力は、もう知っている!来ると分かっていれば、耐えられない程じゃない‼︎」
薙景
「……」
知ってりゃ怖くない、か……
私は、飯田君の肩を右手で掴み、手の甲に額をくっつけた。
風利
「(場外までもう…‼︎)姉さん!!!」
風利の声が聞こえたのと同じ時、私は飯田君に向けて呟いた。
薙景
「──…───…」
飯田
「‼︎」
そして生まれた一瞬の隙。
ビュオオオッ‼︎
それを見逃さず、私は今度こそ飯田君のバランスを崩して見せた。
フィールドに足を着けて、力一杯体を反転させる。
グイッ ダン‼︎
肩は掴んだまま、私は飯田君を押し倒した。