第29章 対等の相手
〜薙景 side〜
私は、オタク君と一緒に麗日さんの居る控え室に向かった。
緑谷
「どうしたんだろ八剣さん…」
薙景
「ん?」
緑谷
「麗日さんと仲良いのに…」
ああ、風利か…一瞬どっちの事か分からなかった。
オタク君は、風利が麗日さんの激励に行かないって答えた事を気にしてるらしい。
薙景
「風利は、変なとこ真面目だからね〜」
緑谷
「?」
風利はきっと、自分の麗日さんを応援したい気持ちが100%じゃないから、頑張れって言うのは失礼になると思ってる。
薙景
「風利はね、この体育祭で爆豪君と戦いたいんだよ」
緑谷
「!あ…」
友達だから勝って欲しい、ライバルだから勝って欲しい、どっちもあるからどっちも応援しない…ってとこかな。
薙景
「私は、そんな気にする必要ないと思うんだけどね〜」
話しながら私は、麗日さんの居る控え室の扉を開けた。