第2章 中学3年 最後のコンクール
フルートと楽譜を抱えて舞台の裏へ入った瞬間、
『~~っ!わぁ~っ』
美樹が将真に泣きながら抱きついた。
「っ!おい美樹!泣くな!!お、お前のソロはめちゃくちゃ良かったのに、おれ…俺が…!!ヒクッ~!うーっ!」
将真も抱きついた。
『そ、そんなことない!ヒクっ将真のかっこよかったぁ!私の最後の音が震えちゃったよ~っヒクッわぁー…』
3年生最後のコンクール、自由曲に選ばれた「ミネルバの流した涙」で唯一ソロがあるフルートとサックスに抜擢されたのは副部長の兵藤美樹とアンサンブル大会で県大会2位を勝ち取ったとき1stを吹いていた3年の園田将真(そのだしょうま)であった。
部をここまで音のまとまりを作ったのは3年生全員である。
昨年まであと1歩の所で九州大会を逃していた。
どうしたら全国へ行けるのか…
悩んだ挙句、基礎から徹底的にやり直し、仲間との信頼を築き、人前で吹いても恥ずかしくないように、駅前でミニコンサートもやった。
〝全部を出し切ったサイコーの舞台、サイコーの証が欲しい〟
部員全員の思いであった。