第1章 シェアハピ!伊達工
「あんた達、いつまで騒いでんの。先輩達も手伝いにきたのか邪魔しにきたのか、ハッキリしてください」
青根の思いを汲み取るかのごとく現れたのは、マネージャーの滑津舞と中谷美海だった。
マネージャーの登場に、それまで賑やかだった部員達はしゅんと大人しくなった。
滑津の言う事はもっともで、今は春高予選に向けての大事な時期なのだ。
三年が抜けて新体制になったチームで挑む春高予選。
本番でチームワークを発揮できるよう、少しでも練習を積み重ねなければならない。
「悪い。今は何よりも練習だな」
言って三年は現役の彼らの邪魔にならないように、そっと体育館を後にしようとした。
「何しれっと帰ろうとしてんすか。練習、付き合ってくださいよ。ただでさえ貴重な時間、奪ってんすからね先輩達」
二口はわざと棘のある言い方をして、三年を、特に鎌先を挑発する。
まんまとその挑発にのせられた鎌先に続いて、茂庭と笹谷も後輩達と一緒に汗を流すことになったのだった。