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Wonderful Life〜素晴らしき日常〜【気象系BL】

第36章 第36章 僕達の引越し協奏曲


この春、僕達は引越しをすることにした。

今まで住んでたマンションが、老朽化を理由に取り壊しになるから。

僕的には、全然古さは感じてなかったし、なんならリノベーションだってしてあるから、外観に反して中は綺麗だし、快適なんだけど、何せ翔くんがさ…

「この際だから、買うか」

なんて言い出すもんだから、僕はもうプチどころか大パニックになっちゃって…

一応止めたよ?

だって、仮に中古だとしたって、一軒家ともなればそれなりの金額だし、二人で住むには贅沢だから、って。

でも翔くんたら、全然僕の話なんて聞いてくれなくて…

「おじゃましまーす」って、爽やかなお兄さん達が突然訪ねて来て、引越し代金の見積もりしてくんだもん。

これでパニックにならない方がおかしいと思わない?

ただ、どの道引越しはしなきゃなんないわけだから、見積もりは必要なことではあったんだけどね。

で、次に翔くんが持って来たのが、契約済のローン契約書と、新しい家の権利書類。

どっちも僕には何の相談も無く、翔くんが勝手に決めて、勝手に交わした物。

これには流石の僕も、怒りを通り越して呆れるばかりで…

一週間くらい…かな、僕は翔くんと口をきくこともしなかった。

でもさ、どれだけ僕が怒ったところで、一度交わしてしまった契約が白紙になることはなく…


「ねぇ、どこで寝るの?」
「ダンボールの上に布団でも敷くか…」

今に至る、ってわけ。
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