Wonderful Life〜素晴らしき日常〜【気象系BL】
第3章 僕達のみっちょん♡
智side
翔くんが僕に手錠をかけた。
僕、何か捕まるような悪いことしたっけ…?
しかも目隠しまでされちゃってさ…
これじゃ何にも見えないじゃんかぁ!
それにさ、どうせ目隠しするなら、ほぐれるのにしてくれればいいのに…
ホント、気がきかないんだから…
「ねぇ、どこ行くの?」
「内緒」
僕が聞いても、さっきからそればっかでさ…
こんなのどんどん不安になるじゃん…
せっかくのお誕生日なのにさ…
「はい、乗って?」
翔くんに言われて、僕は車に乗り込む。
あれ?
免許は持ってること知ってたけど、翔くんいつの間に車なんて買ったの?
「よし、行くぞ?」
シートベルトがカチャンと締められる。
「行くって、どこに?」
どうせまた“内緒”とか言うんだろうけどさ…
「ん? それは内緒」
ほらね?
もう僕、諦めたよ。
翔くんに何聞いたって、素直に教えてくれっこないし、それに翔くんだから、安心だしね?
翔くんは僕を悲しませるようなことは絶対しないって、僕信じてるから。
でもたま〜に、怖いなぁって思う時もあるんだけどね…
今みたいにね?
だって、僕が不安そうにする度、翔くんの声が弾んでくんだもん。
目隠しされてるから、余計にそれが分かっちゃうの…