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Wonderful Life〜素晴らしき日常〜【気象系BL】

第33章 俺らの疑問と秘密


取引先への営業中、上司からかかって来た一本の電話…

「直帰で良いから」

その言葉に気を良くした俺は、先方との契約を早々に取り交わし、最寄り駅から電車に飛び乗った。

ラッシュ時にしか乗ることのない電車の車内は、驚く程冷房が効いていて、ふと

「この部屋ちょっと寒すぎない?」

暑がりの癖に寒がりな潤の口癖が脳裏を過ぎった。

そうだ…

今日は確か智もバイトで遅くなるって言ってたし、潤の店に寄ってコーヒーでも飲んでから帰るか…

こんなこと、滅多にあることでもないし、たまには良いだろう。

ついでに、パパさんの店で、智の好きなケーキでも買って…いや、待てよ?

それはまた今度にしよう。

智の奴、ここ最近甘いモンばっか食ってるから、ちょっと太り気味なんだよな…

ま、元々そこまで太る体質ではないみたいだし、どちらかと言えば痩せてる部類の体型だから、気にならない程度ではあるんだけど。

つか、智に付き合って甘いモンばっか食わされてる俺の方が、よっぽどヤバいし(笑)

俺は人気も疎らな車内で、滅多に座ることのないシートに座り、出社前に購入した新聞を開いた。

周りの迷惑を考えず、堂々と新聞が読めることに、ささやかな幸せを感じてしまうのは、サラリーマンの性(さが)…なんだろうな。
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