Wonderful Life〜素晴らしき日常〜【気象系BL】
第32章 僕達のバブリーナイト
そして…
「な、なあ…、智? これ…どうやって解きゃ良いんだ?」
僕の不安は現実になった。
でもさ、絞めたの翔くんじゃん?
なのに、その張本人が解けないなんてこと、ある?
「も、もおっ…、翔くんのバカぁっ!」
「わっ、ちょっ…、ゴメンて…、おいっ…」
ネクタイで一纏めにされた手で翔くんの胸をポカスカ叩く僕を、翔くんがムキムキの両腕で抱き留める。
嬉しいよ…?
翔くんに抱っこされるのは、とっても嬉しい。
でもそれは普段の…何気ない時間の中でのことであって、今は違う。
だって、このキュキュッと締め付けられたサラシの中では、僕の息子くんが爆発寸前なんだもん…
とてもじゃないけど、喜んでられる状況じゃない。
「と、とにかくこれ解いて!」
僕は一纏めになった両手を翔くんに突き付けた。
「あ、ああ、そうだな…。うん、そうしよう…」
翔くんが僕の手首に巻き付けられたネクタイを、それはそれは不器用な手付きで解いて行く。
そして漸く…
「よし、解けたぞ!」
僕は晴れて自由の身になった…んだけどさ、
「ね、ねぇ…、僕…も…限界…」
「え、ええっ…?」
翔くんが欲しくて欲しくて堪んないよ…
でもどうすれぱ…
「あっ、そだ! 翔くんハサミ!」
せっかく夏祭りのために買ったけど…、ちょっと勿体ないけど…、仕方ないよね?