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Wonderful Life〜素晴らしき日常〜【気象系BL】

第29章 大人な俺達のバレンタイン小夜曲


昌宏さんに背中を押されて部屋に入る。

一人では大き過ぎるダイニングテーブルには、食べかけの料理が並んでいる。

「ごめんなさい、ご飯中だった?」

ちょっと考えれば分かりそうなことなのに、昌宏さんに会いたい一心で、食事時だってことすら忘れてたよ…

「別にかまわねぇよ。つか、お前まだだろ? 一緒に食うか?」

「いいの?」

「おう。ちょっと待ってろ」

俺の髪をクシャッと混ぜ、シャツの袖を捲る昌宏さん。

やばいよね…、超かっこいいもん…

俺は堪らず昌宏さんの広い背中に抱きついた。

腰に回した手には、勿論緑色のリボンで飾った小さな箱。

「俺からのバレンタイン…受け取ってくれますか?」

本当はさ、面と向かって言いたかった。

でもさ、さすに照れちゃうからさ…

「雅紀…?」

「甘い物好きじゃないかも知んないけど、今日だけ…」

やばいよ…、心臓口から飛び出しそうだ…

「お前ぇ、勘違いしてねぇか?」

へ?

「俺がいつ甘いモン嫌いっつったよ…。量食えねぇだけで、別に普通に食うし…」

え…、そう…なの…?

「それによ、お前ぇが作ったモンなら、何でもうめぇんだよ」

「じゃ、じゃあ、受け取って…くれる…の…?」

「ったりめぇだろ(笑)」

俺の腕の中で、昌宏さんが身体の向きを変える。

「おら、もう、一回言ってみ?」

「えっと…その…」

あー、やっぱ顔見ちゃうとダメだ…

でも今日はバレンタインデーだし…、特別な日だし…

「昌宏さん…、好き…で…す…」

改めて口にするのは、正直恥ずかしいよ…、恥ずかしいけどさ、俺の想いを受け取った時の昌宏さんの顔を見たらさ、ああ俺だけじゃないんだってことが分かって、心の中で思わず笑っちゃった。

立って昌宏さん、真っ赤な苺よりも赤い顔してんだもん(笑)

「ガトーショコラ、半分こして食べよ?」



🖤おわり💚
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