Wonderful Life〜素晴らしき日常〜【気象系BL】
第28章 僕達のバレンタイン狂騒曲
着替えを済ませた翔くんと、テーブルを挟んで向き合って座る。
テーブルの上には勿論、バレンタインスペシャルディナー(…って言える程のモンじゃないけど…)が並んでいる。
「あー、腹減った。いっただきまーす!」
スプーンを手に、早速ハートを崩しにかかる翔くん。
何だか勿体無いような気もするけど、翔くんが美味しく食べてくれるなら、それでいっかぁ♪
「あ、そうだ。翔くん、これ…」
もう少し後で…とも思ったけど、翔くんの反応が早く見たくて、僕は隠し持っていたチョコの包みを翔くんに差し出した。
「俺にくれんの? マジで?」
嬉しそうに顔を綻ばせ、リボンを解く翔くん。
「一応ね、手作りなんだ」
更に頬を緩め、包装紙を捲って行く翔くん。
僕が脱がされてるみたいで、何だかちょっと恥ずかしい。
「早く開けてみて?」
「うん」
翔くんの手がゆっくり蓋を持ち上げる。
ドキドキの瞬間だよね〜♡
…と、ウキウキワクワクしてたのはここまで。
「ぶ、ぶはっ…!」
翔くんが箱の中を覗き込んだ瞬間、僕は顔面に大量のライスシャワーを浴びた。
「こ、こ、これ、まさかと思うけど…、お前の、その…ナニか?」
「そう…だけど…?」
っていうかぁ、カレー臭いし…
「嬉しくなかっ…た…?」
「いや…嬉しくないわけないだろ〜!」
「えっ…?」
顔に浴びたライスシャワーをタオルで拭う僕の身体は、気付いた時には翔くんの腕の中で、カレーで少し黄色くなった唇は、僕の唇に重なっていて…
「しょ…くん…?」
「飯より智が先だ!」
僕はあっという間にスッポンポンのポンで…♡
ふふ、この後は…お決まりだよね?
僕は湯煎にかけたチョコよりも、う〜とトロトロに溶かされ…
ちょっぴりカレー臭はしたけど、素敵なバレンタインデーになっちゃった♡
❤おわり💙