Wonderful Life〜素晴らしき日常〜【気象系BL】
第27章 俺達のバレンタイン狂騒曲
夕飯も終わり、後片付けを済ませた潤が、貰ったチョコをテーブルの上に並べた。
「どれ食う?」
「どれって言われても…、俺はどれでもいいよ」
「そっか…。じゃあ…、これから行っとく?」
潤がいくつか並んだチョコの中から、一番小さな包を手に取り、包装紙を捲りかけたその時、
「ちょっと待って?」
俺の口が勝手に動いて、ついでに身体も勝手に動いていた。
「こ、これ…、俺からの…そのチョコ…って言うか…」
リュックの中に隠してあった包を潤に差し出した。
「和…から? マジで?」
「うん…。一応、手作りって言うか…」
そうだ…、渡すのは最後でも、一番に口に入れて欲しいのは、やっばり俺が作ったチョコなんだ…
「開けていい?」
「うん…」
黄色いリボンを解き、潤が袋の中から箱を取り出す。
やば…、俺の心臓ぶっ壊れそうなくらい、バクバクいってるし…
「初めて作ったからさ…、下手くそでしょ?」
蓋を開け、目を見開いたままの潤。
そりゃ驚きもするよね、なんたってアレの形してんだもん。
「あ、あのさ、こっちの先食べよ? ほら、これなんて…」
言いかけた瞬間、俺の手が潤の両手に引き寄せられ、俺の身体は潤の腕の中にすっぽり収まった。
「じゅ…ん…?」
「超嬉しいよ。つか、チョコで出来た“お前”もいいけど、本物の“お前”が食いたくなったんだけど…、ダメ?」
潤の赤い舌先が、チョコで出来た“俺”の先端をペロリと舐める。
そんなことされたら、俺…
「いいよ? 俺を食べて?」
って言うしかなくて…
結局俺達は、チョコの甘い香りに包まれた中で、チョコが溶けるくらいに、甘くて熱い一夜を過ごした。
「また来年も頼むぜ?」
「うん…」
来年の約束も忘れずに交わして…
💜おわり💛