• テキストサイズ

Wonderful Life〜素晴らしき日常〜【気象系BL】

第1章 僕達のちょっとした悩み


飲み会を翌日に控えた夜、僕は潤の店に来ている。

正確には、和のパパさんの店、なんだけどね。

パパさんが作るケーキが、素朴だけど美味しい、と最近になって話題にもなっているスイーツ専門店。

その一角を借りて、潤が始めたコーヒーの専門店。

本格的なコーヒーと、パパさんのケーキが楽しめることで、週末なんかは満席になることも少なくはない。

そのカウンターの片隅を陣取って、僕は一人深い溜息を吐いていた。

「あのさぁ、俺の淹れたコーヒー飲んで、溜息ばっか吐かないでくんない?」

閉店時間が近いこともあって、潤が片付けをしながら僕に文句を言う。

「だぁってさ…、はあ…」

「んな溜息ばっか吐くんだったら、最初っから断りゃ良かったんじゃね?」

「簡単に言ってくれるよな…」

それが出来たら、こんなに悩みゃしないしな…?

「だってそうだろ? 翔さんだって、別に強制してるわけじゃないだろうし? ちゃんとお前に選択の自由は与えてた筈だぜ?」

それはごもっともな意見だ。

でもいざとなると、色々考えてしまうんだ。

「はぁ…」

「皺、寄ってんぞ?」

潤が僕の眉間を指でぺチンと弾く。

「痛って…。も、なんだよぉ…」

僕はジンジンと痛む額を両手で抑えた。
/ 628ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp