Wonderful Life〜素晴らしき日常〜【気象系BL】
第23章 僕達のカレンダー②
って、ウジウシ考えてたら、どっぷり夜も更けちゃって…
会社帰り…だろうか、絶好調に酔っ払ったサラリーマンが数人、大声で歌を歌いながら公園の前を通り過ぎて行った。
ふふ、あれなら僕の方が上手だ(笑)
ってゆーかぁ、もうそんな時間…?
ふと公園の時計を見上げると、時刻はもうすぐ11時を過ぎようとしていて…
「翔くん、もうお家に帰って来てるかな…」
僕はカイロをキュッと握り締めると、もう一度深い溜息を落としてから、漸くブランコから腰を上げた。
でもどんな顔して翔くんに会えばいいのかな…
いつもみたいに、ふにゃって可愛く笑えばいい?
それとも、フンッてすればいい?
あーもぉ…、分かんないや…
分かんないけど、でもこんなトコで野宿なんて、絶対無理だし、嫌だし…
やっぱ帰らなきゃだよね…
僕はトボトボとマンションに向かって歩き出した。
でもちょっと待って?
あと数分で“今日”終わっちゃうじゃん?
もしお家に帰っても、翔くんが帰って来てなかったら?
だって、翔くんいつも公園の前通るのに、今日は見かけてないし…
もしまだお家に帰って来てなかったら、「おめでとう」って言えなくなっちゃうじゃん?
それは絶対ダメ!
僕はグルンと華麗にUターンをかますと、駅に向かって走り出した。