Wonderful Life〜素晴らしき日常〜【気象系BL】
第20章 僕達の願い事
智が幸せを願えば、俺も智との幸せを願うし、智が今の幸せに感謝するなら、俺も今智と幸せでいられることに感謝する。
俺達はずっとそうしてきた。
「そうだね、ゴーゴーゴーだよね!」
「おう、ゴーゴーゴーだ(笑)」
って、こんなことが昔もあったようななかったような…?
「どうしたの? そんなむずかしー顔しちゃって(笑)」
「いや、前にもこんなようなことあったな、ってさ…。つか、智は何願い事したんだ?」
「えー、それ聞いちゃう?」
「うん、聞いちゃう♪」
だって、俺と智がいつも同じ気持ちでいることを確認しておきたいからさ。
「んとね…、ちょっと耳貸して?」
智が少し背伸びをさして、俺の耳元に口を寄せる。
「あのね…僕の願い事はね…」
もったいぶっているのか、俺の耳元で智が“ふふふ”と笑う。
そしてありえない…っつーか、絶対叶いそうもない事を言う。
俺との赤ちゃんがほしい、なんてさ(笑)
「それ絶対無理だろ…」
「そんなこと分かんないじゃん? だから、さっさとご挨拶済ませて、子作りしよ?」
「そ、それは…別に構わないけど…」
まさか智のヤツ、本気で俺との赤ん坊が欲しいとか思ってんのか?
「やだ、翔くん顔変になってるよ?」
そりゃ、変にもなるだろうさ…、男同士で赤ん坊なんて…
「あのね、自分の力ではどうにもならないから、神頼みするんでしょ? 僕だって、無理なことくらい、ちゃんと分かってるもん…」
そうだよな、俺達の幸せも、感謝も共通なら、悩みだって同じだもんな?
「分かった。いつか叶えような、智の願い事」
必ず叶う、なんて約束は出来ない。
寧ろ叶えられないかもしれない。
でもいつか…
いつの日か、俺達の願い事が叶いますように…
俺は智の手を握りながら、555円のお賽銭に願いを込めた。
おわり♡