Wonderful Life〜素晴らしき日常〜【気象系BL】
第19章 俺達の願い事
サプライズ好き?
いや、イベント好きなのかな…
朝も暗い内から潤に起こされた俺は、盛大についた寝癖もそのままに、潤にパジャマを脱がされ、いつの間に用意したのか、ラクダ色のモコモコのシャツを着せられ、同じくラクダ色の股引を穿かされ…
って、これおじいちゃんが着るやつじゃない?
なんて思ってはみたものの、寝起きでボーッとした頭ではそれ以上考えることは出来ず、されるがままダルマさんみたくコロンコロンに厚着をさせられ…
「よし、行くぞ!」
と、手を引かれ、車に乗せられ…
気付いたら、小高い山の頂上に立っていた。
「うぅ〜、寒っ…」
完全防備はしてるものの、夜明け前の空気と、時折山肌を撫でるように吹き上げてくる風は、尋常じゃないくらいに冷たくて…
ふと隣を見ると、人一倍寒がりな筈の潤が平然とした顔をしている。
「ねぇ、寒くないの?」
俺が歯をカチカチ鳴らしながら聞くと、“ぜんぜん”とばかりに肩を竦めて見せた。
ダルマさん状態の俺に比べて、テラテラのシャツにロングのコートを羽織っただけのに?
絶対おかしい。
怪訝そうに見上げた俺を、潤がニヤリと笑って見下ろす。
そしてポケットから手を出して俺の手を掴み、そのまま太股へと導く。
「えっ、ちょ…ちょっと何考えてんの?」
疎らではあるけど、人目だってあるのに、こんなトコで…
焦った俺は、周りを気にしつつも潤の太股…それも、アソコに近い部分にそっと手を触れた。
あ…れ…?