Wonderful Life〜素晴らしき日常〜【気象系BL】
第18章 大人な俺達の危険な夜
「今日、おめぇ誕生日だろ? 夜、おめぇん家行くから」
昼頃店にかかってきた電話。
相手は松岡さんだ。
俺が携帯に出ないことを知っていて…のことなんだろうけど…
そもそも時節柄、稼ぎ時ということもあって、忙しく動き回っていた俺は、すっかり今日が自分の誕生日だってことも忘れてたし…
でも今日かぁ…(;^_^A
正直、家に帰ったら真っ先に風呂入って、ビール飲んで、とっとと寝ちゃいたいんだけど…
何せこの時期は、予約も立て込んでてフル回転状態な上、疲労だってピークに達するわけで…
松岡さんには悪いけど、誕生日なんて祝ってる余裕なんてない。
しかも自分のなんて…
この歳になると誕生日なんてどうでもいいんだけど…、でも仕方ない。
せっかくの松岡さんからの申し出だし、それにやっぱりどんなに忙しくても、どんなに疲れてても、恋人と過ごす時間は大切だし、大切にしたい。
俺は残りの予約を確認すると、店先で店頭販売のバイトをしてくれているサトくんに声をかけた。
「悪いんだけどさ、これ描いてくれる?」
最近は、キャラデコケーキの注文も多いから、絵の得意なサトくんは、非常に頼もしい戦力になる。
それにサトくんも、客を相手にしてるより、こっちの方が楽しそうだしね(笑)