第16章 僕達のバースデーソング②

潤side


翔さんから、

｢今年の智の誕生日は特別なモンにしたい｣

と、相談を持ちかけられたのは、つい先日のこと。

当然、その意見には俺も賛成。

智とは、幼稚園時代から、この年になるまでずっとの付き合いだしね？

“親友”なんて言葉じゃ片付けられないくらいの関係…、というか“家族”みたいなモンだしね？

ただ“特別な…”と言われると、正直困ってしまう。

俺の“特別”は和のために取っておきたいし…

でも翔さんの気持ちは分からなくもないし…

さあ、どうする俺。

まあでも、相手はあの智だし？

そこまで張り切って盛大にしなくても、クマさんのチョコさえあれば、泣いて喜ぶんじゃないかとも思うんだけど…

実際、去年もそうだったし。

あん時の智の顔…

今思い出しても笑えるぜ(笑)

…っと、呑気に思い出し笑いなんかしてる場合じゃない。

一応相談を受けたからには、それなりのプランは考えないとな…

とりあえず場所は、パパさんの許可も貰わないといけないけど、多分…いや、確実に許可は降りるだろうから良しとして…

後はパーティをどうするか、だな。

流石に去年と一緒、ってわけにはいかないからな…

ま、智のことだから？

去年のことなんて、すっかり忘れてるだろうけどな(笑)