Wonderful Life〜素晴らしき日常〜【気象系BL】
第11章 大人な俺達の複雑な心境
最大限に拡大した画像を、下へ下へとずらして行き、和の丁度顎の下辺りで止める。
やっぱりだ…、この赤い痣…キスマークじゃないかっ!
それも一つや二つじゃな。
場所だって首筋だけじゃ飽き足らず、鎖骨の辺りにまで…
潤の奴…!
俺の息子になんてことをっ!
「許さ~~~~~っん!」
俺は松岡さんを押し退け、ベッドの上に胡坐をかくと、和とのLINEを閉じ、替わりに潤とのLINEを開いた。
勢い余ってベッドの下へ転げ落ちた松岡さんが、まるで蛙が潰れたような声を上げたけど、構うもんか。
スマホ上に表示させたキーパッドを、ケン〇ロウもビックリな突指で叩き、文章を打ち込んだ。
「よし、これで完璧だ」
満足げに笑って送信ボタンをタップする。
さあて、潤の奴どんな反応するかな?
想像しただけで笑えてくる。
「おいおい、朝っぱらから随分楽しそうだな」
心の声が盛大に漏れていたのか、ベッドの下でムクッと起きた松岡さんが苦い笑いを向ける。
「そう? あ、ねぇ、俺お腹空いたなぁ。俺、松岡さんが作ってくれる朝ご飯食べたいなぁ」
「おう、任せとけ。なんなら毎朝でも作ってやってもいいけど?」
それって…、もしかして…?
嬉しいよ…、超嬉しい。
でもね、
「随分先になりそうだけど、待っててくれる?」
だって俺、まだまだ和を”嫁”に出すつもりはないから(笑)
いつか俺が、本当の意味で潤を”息子”として認めることが出来るまでは、ね。
おわり