Wonderful Life〜素晴らしき日常〜【気象系BL】
第7章 僕達の甘~い夜
シャカシャカ、シャカシャカ…
僕は大きなボールを抱えて、シャカシャカ(←名前分かんな~い)でボールたっぷりのホイップを泡立てる。
でもこれ…、けっこうキツイかも…
「ねぇ、電動でシャーッってやるやつないの?」
「ん? 電動ミキサーのこと? それならなくはないけど…」
大きなオーブンから、焼き立てのパイ生地を取り出しながら、パパさんが僕を振り返る。
う~ん、焼き立ての甘い香りが堪んない♪
「でもさ、自分の手でやった方が、愛情籠ってて翔くんも喜ぶんじゃない?」
「そ、そう…かなぁ…」
翔くんが喜んでくれるなら僕…、頑張っちゃう♪
シャカシャカシャカシャカ…
シャカシャカシャカシャカ…、ポワン…
「出来たぁ!」
僕の両腕に乳酸が堪りまくってきた頃、ボールの中には漸く”ツノ”が立つくらいの、フワッフワのホイップクリームが出来上がった。
「どれどれ?」
パパさんがボールの中を覗き込んで、シャカシャカで出来上がったクリームをクルンと搔き混ぜた。
「どう? 上手に出来てる?」
うーん、ちょっと不安…
「うん、完璧!」
「ホント? はぁ、よかったぁ…」
これでダメって言われたら、僕今度こそ電動シャカシャカマシーンのお世話になっちゃうとこだったよ…