第1章 試練の間
某テレビ局の馴染みの楽屋
そのドアの向こうには
白い紙を前に頭を抱える、五人の男がいた…。
櫻「あ~…浮かばないっ」
大「俺こういうの苦手なんだよな…」
松「な、に…に…ぬ…ぬ?」
相「あー…あー…あーえーいーおーうーっ!!」
櫻「発声練習?(笑)」
相「叫んだら何か出るかなって」
二「黙って考えて。やかましいから」
大「…」
あ、え、い、お、う
何か、昨日のこと思い出しちゃった。
カノジョと電話してたら、何かちょっと雰囲気悪くなってしまって…
…
……
「…あ」
今のは…ヤバイか。ちょっとマズイことを言ってしまったかも。地雷を踏んだのか、急に冷たい沈黙が…
「え?」
なに?え、違うって。オレ別に、そんな深い意味なんてマッタク…
「いっ」
やいやっ、だからそういうことじゃなくてっ。そんなつもりで言ったんじゃ――…っ
「お…」
ちついてって!ちょっ…こっちの話も聞いて――
「ウッ」
…切られた。ガッチャン、って。スマホなのに受話器叩きつけられたカンジに。
ツー・ツー・ツー・ツー…
「…」
…発声練習か?
自分でツッコんじゃったわ。
もう。
ナンなのッ!?
……
…
てのを。思い出した。
あの後メールしたけど音沙汰なし。ま~だ怒ってんだろうなぁ…。
大「ハァ~…」
四「…」
大「ふぅ~…」
四「…」
大「…(女って)わっかんねぇよな…」
二「…いやいや。あなたが、一番わかんないです、我々」
櫻「何?急にデッカイため息ついて」
大「…ちょっと、ね」
松「ちょっとじゃないよ。ため息つきたいのはみんな同じなんだから」
相「そうそう。真面目にやってくださいよ、あかさたな作文」
二「川柳な」
櫻「どっちでもいー。あああーっ!良いの浮かばねーっ」
松「翔さん得意でしょ?こういうの」
相「ねえ?ラップみたいなもんだし」
櫻「一緒にすんな~。勝手が違うんだよ~」
大「…」
あ、どうも。大野です。
今ね、何かの企画であいうえお川柳作るとかの案があって。試しにみんなで作ってるとこだったんですよ。楽屋の待ち時間なんだけどね。