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【100プリ】Wistarian Diva

第13章 Op.13 新居【R-18】





夏の音楽祭から1週間後

ケイに無理やり空けてもらったある日の午後。



「いいですか?夕方17時までには絶対事務所に戻ってきて下さいね!」


先日の音楽祭を終えて
新しいジャンルへのニーズが高まり

年末までに3枚のアルバムリリースが決定した。


そのため
毎日レッスンに収録が目白押しになっており

その合間にメディア出演をこなす
過密スケジュールになっていた。




ケイには誰に会うかはあえて言わなかった。



王宮の公用車に乗って迎えに来たルイと共に
郊外にあるハワード家の所有する家に向かった。


ハワード家の所有物件と聞いて
よほど豪奢な建物なのかと思っていたが

2階建てで1階部分が店舗になっている
一般的な建物だった。



「なんか…お屋敷を想像してた」


降りたってレオナは建物を見上げて呟く。


「お屋敷みたいなやつもあるけど…女の子の一人暮らしには大きすぎるからね」


ルイはいつも王宮で纏っている豪奢な礼服ではなく
シャーベットブルーのシャツにホワイトチノを履いたラフな服装だった。

夏の強い日差しを避けるのと、顔バレ防止のためにお互いサングラスをしている。




1階部分はこじんまりしているが、いい香りを漂わせているベーカリーだった。

「食べ物を扱っているし朝が早いけど、気にならないかな」

「それは全然平気…つい食べに来て太っちゃいそう」

ルイはふっと笑うとベーカリーの裏手の方へ回り手招きする。


「こっちの外階段からだから…おいで?」






レトロなデザインの階段を上るとすぐに玄関口がある。

ルイが鍵を開けて中に入る。


レオナはそのあとについてゆき
中を見て驚いた。


(ひ……広っ…!!)


廊下を抜けてすぐ広がるのがリビングダイニングだ。

家具が既に備え付けられており
それはまるで王宮のそれを想起させるような豪華な物ばかりだった。


カーテンは金の縁取りを施されたビロード調のものだ。
部屋全体は濃紺とミントグリーンでまとまっている。


「お、お、王宮みたい!!すごーい!!!」

レオナは思わず子どものようにはしゃいだ声をあげる。


ダイニングの奥にはキッチンが見え、リビングの隣はベッドルームになっていた。


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