第9章 Op.9 Meeting & Boy's talk
「アラン…お兄ちゃんと一緒がそんなに嫌なのか?」
茶化すレオを睨むとアランは
「とにかく俺は警備があるから演奏者にはなんねー」
そう言って出て行ってしまった。
あまりに難航していく打ち合わせに
ケイはだんだんげんなりしてくる。
そんなケイの様子を見てジルが穏やかに言った。
「ケイさん、大丈夫ですよ。私の方から説得いたします。曲目の方もつめていきましょうか」
「は、はい…お願いします!」
神に手を差し伸べられたような気分になったケイは、安堵の表情で話を進めていった。
大体の曲目も決まり
打ち合わせはいったん解散となった。
公務の残っているジルは退室し
王位継承御三方とレオの4人がその場に残っていた。
「あーあ。レオナ、会いたかったなー」
「まだ言ってやがる…ノア、あの女がそんなに好きなのかよ」
カインはニヤニヤしながら突っ込む。
「うん、好きだよー」
素直に答えるノアに
「…ノアの『好き』はみんなに対する『好き』と同じでしょ」
ルイが冷静に突っ込んだ。
「そう、カインも好き、ルイも、レオも、みんな好き」
「ルイはあの女のこと気になってんだろ?」
カインは次のターゲットをルイにする。
ルイは無表情に
「…好きでも嫌いでもない。興味ない」
そう答えた。
するとレオが
「ルイが興味ない、の時はけっこう好きな時が多いよね」
と言って茶化す。
「そんなことはないよ」
ルイはレオの手には簡単に乗ろうとしない。
「んーでもレオナってけっこうおっぱい大きいよね」
「え?」
「はぁ?」
「確かに」
ノアの空気の読めない呟きに、レオだけが同意している。
「お、おま、のほほんとしながらそんなとこ見てんのかよ」
「えー?抱きついた時に大きいなーって」
「……」
ルイは顔を赤らめながらノアを睨みつけている。
「…確かに一番大事な情報だ」
「シド!」
談話室の入口から、盗み聞きしていたのかシドが入ってきた。
「カインはあのプリンセスので満足してんだからそんなに重要じゃねーんだろ」
「おいシドてめーそれどういう意味だ」
「んー確かにプリンセスはあんまし無いよね」
ノアもそれに同意する。
「ノア、大事なのは形だよ?」
レオが大真面目に言う。