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【100プリ】Wistarian Diva

第6章 Op.6 急遽



2週間後に放送されたオーディション番組の後
レオナの生活は一変した。


連日にわたる
雑誌取材、テレビ収録、ライブ活動、イベント活動から

ボイストレーニング、レッスン…
分刻みのスケジュールが組まれていた。



クロードがエージェントの座にいることに変わりはないが
本業のデザイナーやスタイリストの仕事があるため
レオナのマネジメントはレコード会社の人間が行っていた。



相変わらず帰る家はクロードの家だったが
ほんの数時間寝に帰る程度のことが多く

クロードも滅多に家に戻らないため

二人はあの夜以来、ほとんど会うことがなかった。



クロードはおろか

王宮の人々にも


あの晩餐以来、会うことはなかった。











「レオナさん!次はBスタジオです!急いでください!」

アップスターレコードの社員でありレオナのマネージャーであるケイという青年は
後ろからバテ気味に走ってくるレオナに声を掛けた。


「ま…待って……」


ケイはまだ18歳だが
15歳の時からテレビ局でADの仕事に携わっており
その経験が見込まれてアップスターレコードに入社することができた。

マネージャー業務の経験はまだ浅いものの
レオナと歳が近いため、採用された。




「次の収録は午前中の生放送番組でライブ演奏になります…ピアノ伴奏は先日打ち合わせした方です」

「うん…」

「曲はオーディションの時のMemoryですから」



オーディション番組の印象が強いのか
メディア露出で歌うのは決まってこの曲だった。


今ではなぜか
「ミュージカル女優なのか」という噂までたっている。


(…とにかく、やるしかない)



スタジオの袖に入ると
何やらあわただしそうにスタッフが行き交っている。

平常のあわただしさとは少し違う。

何かトラブルなのか…そう思わせる様子だった。



「あ、レオナさん!」

番組のディレクターが声を掛けてきた。


「すいません…実はレオナさんの伴奏をするはずのピアニストが渋滞に巻き込まれて到着してないんです」

「ええっ!」

レオナより先にケイが慌てふためく。


「今代役を探しているのですが…誰もつかまらなくて」


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