第3章 Op.3 家出猫【R-18】
Claud side----
いつもより熱めのシャワーを浴びながら
クロードは壁に額をつけ、もたれかかっていた。
(何がしたいんだろうな…俺は)
田舎から出てきた小娘の
弱みにつけこんで服従させて。
確かに、あいつが地位を築いた時に
俺の存在が最もそばにあれば
(それは国民の支持につながり、権力への道へつながる)
望む地位に近づける。
(プリンセスはカインに首ったけだからな…その線は断たれた)
だが。
メディアの力、芸能の力、ファッションの力
これらを掌握することは
事実上国民を掌握することになる。
(…そのために、俺はあいつを利用するだけだ)
なのに。
それだったら
むしろ
…手は出すべきではなかった。
(どうして…だろうな)
身体ごと
服従させたくなった。
(あんなことして…へたすりゃ逃げられちまうのに)
どうしようもなくなるほどに
「所有」したくなった。
(……何を乱されてる?)
いつ、どの瞬間から
レオナを「身体ごと服従」させることにしてしまったのか
きっかけを思い出せないまま
クロードは静かに目を閉じ
降り注ぐ熱いシャワーに
身をゆだねていた。