第3章 Op.3 家出猫【R-18】
クロードの家は
城下の一角にある一軒家だった。
昔親戚が使っていた家らしいが
今は誰もおらずクロードが自由に使っているらしい。
「寝に帰るだけだから何もないけどな。二階は仕事道具だらけだし」
帰りの車の中でクロードは運転しながらそう言った。
「クロード、本当に…いいの?」
「ああ、構わない…そっちこそ、いいのか?」
少し意地悪な声色でクロードは聞き返す。
「……」
レオナはそれには何も答えなかった。
…クロードはトランクにしまっていた荷物を抱え、レオナを連れて家に入った。
本当に殺風景な部屋だった。
簡素なソファとテーブル…無機質な本棚があるだけ。
他に何もない。
「適当にくつろいで」
クロードはそのまま荷物を二階に運びに上がった。
おそるおそる、レオナはソファに座る。
まだクロードが着せてくれた
淡いスノーブルーのワンピースを着たままだ。
(あ、アクセサリーだけでもはずさないと…)
レオナはイヤリングをはずし
ネックレスを外そうと首の後ろに手をやった。
(うわ…こういうのつけたことないからはずし方わかんないな…こうかな…うーんと……)
「じっと、してろ」
「わ!」
急に温かく大きな手が添えられる。
背後にクロードの気配を感じ、レオナは手をひっこめた。
クロードはいともたやすくネックレスを外すと
「壊すなよ?」
少し嫌味っぽくそう言った。
「そ、そんなつもりじゃ…」
レオナが反論しようと口を開いたその時だった。
(え……)
クロードはそのまま
背中にあったワンピースのファスナーを
すっと下へ下ろした。
「あ……」
(そ、そうだよね…これも借りてたから…)
「あ、ありがとうクロード…脱いですぐ返すか、ら…」
するとクロードはそのまま
肩紐を外側へずらしたかと思うと
するりとワンピースを腰元まで下ろした。
「きゃっ……!」
レオナはとっさに胸元をおさえる。
「ク、クロード…ちょっと待って、て…」
顔を真っ赤にしながら俯くレオナに
背後からクロードの手が
胸元をおさえるレオナの手に重ねられた。
「返して…くれるんだろ?」