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【100プリ】Wistarian Diva

第24章 Op.24 Epilogue







食事を終えた頃、食堂に一人の人物がやってきた。


「久しぶりだな」

「クロード!」


クロードはゆりかごの中で眠るユマを覗きこむ。

「ん?ルイ似か?」

「よく言われるの」


「でも目を開けてるとレオナそっくり」


ルイとクロードの関係もすっかり以前のように元通りになっている。

レオナはそれを心から喜んでいた。




「…やっぱり女に作るプレゼントの方が気合が入っちまうな」

クロードは両手に抱えていた箱をどさっと下ろした。

「クロード、これは?」

見上げてレオナは尋ねる。



「…ユマへの貢物だな」

「えっ?!こんなに沢山?」


するとすかさずカインが目を細めて言う。

「おいクロード、シオンの時の倍くらいねえか?」

「言っただろう、女へのプレゼントには気合が入るってな」

「ちっ…んだよ。まぁ…反論はしねえが」


クロードはユマを覗きこむ。

「ユマ…クロードおじさんはお前に山ほど貢いだぞ?」



「クロード」

ルイは表情の読めない顔で呼ぶ。

「?」

「……ありがとう」

「…どういたしまして」


するとユマが目を覚ましたのか少しぐずり始めた。

「あ」

レオナはすかさずユマを抱きあげる。


レオナに抱かれ安心したのか泣きやむのを見てクロードは

「母親らしいな」

目を細め、そう呟いた。


「母親、なんだけど?」

苦笑して答えるレオナに、わかったと言わんばかりに頷いて返す。


「ねぇクロード」

「ん?何だ」

「……抱っこしてあげて?」

「え?」

クロードは一瞬ためらい、ルイを見やる。


ルイもこくりとうなづく。

クロードは恐る恐るユマを抱きかかえた。


ユマは泣かずにクロードの顔をまじまじと見つめている。



「っていうか、クロードぎこちなさすぎ」

メイカの突っ込みに一同が笑う。

「そ、そうか…?慣れてなくてな…」
「うん、見て分かる」

ルイもすかさず突っ込む。

「でも……可愛いもんだな」


クロードの横顔は、いとしい存在を見つめる顔そのものだ。

「クロード」

ルイが短く言い放つ。

「嫁にはやらないからね」


クロードはぷっと笑う。

「それは残念だ…」


そう言ってユマを再びレオナに返す。

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