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【100プリ】Wistarian Diva

第24章 Op.24 Epilogue



3 years later----


カインが国王に即位して2年。

ウィスタリアは特に大きな問題も起きず
安定した平和を築いている。




「メイカちゃん!」

中庭に響くレオの声。

その声にはっとなってメイカはうたた寝をしてしまっていたことに気づく。


「…わっ!やば…あれ、シオンは?」

「こっちだよ」

振り返ると、レオが第一王子…カインとメイカの子どもであるシオンを抱きかかえている。

「一人でよちよち歩きしながらこっちに来てた」
「わ…ごめん……ちょっと遊ばせてたら眠くてうとうとしてた…」

「メイカちゃんも公務と育児で疲れてるんでしょ?たまにはゆっくり休んだ方がいいよ」

レオはシオンをメイカに渡す。


「ありがとうレオ、でも今日は『大事なお客様』が来る日だからね…休んでられない」

「…そうだったね。俺もこれからジルと準備するところ」

レオはにこっと笑ってその場を後にした。







「……ジル、ねえジル?」

「…なんですか……レオ」



レオがジルの執務室を訪れると
ジルは熱心に鏡の前で何かしている。


「何してるの?それ」

「え?ああ……新しいタイを下ろしたのですが、どちらのタイピンが似合うか判断に迷いまして…」

「……あのさ、今日の主役はジルじゃないよね」

「ええ、分かっています。主役を万全の体制でお迎えするために決めあぐねているのです」

レオはため息をひとつつくと

「もうすぐ着くころだよ。早く準備して」

そう言い残してその場を後にした。









ユーリに食堂の支度をしてもらい
プレゼントはクロードが用意している。

その他の準備も滞りなく済んだ。


「さて」


ちょうどそのころ
正面玄関のあたりに車が到着する音がする。

「お、いいタイミング」


レオは小走りに玄関へと向かっていった。





「ルイ!」


レオが玄関を出ると
ルイが後部座席のドアに手をかけているところだった。


「レオ、久しぶり」

ルイは僅かに口角を上げて答えた。


そしてドアを開けると

「大丈夫?」

中に向かって声を掛ける。

「ん…ルイ、お願い…」

「うん、いいよ」

ルイはそう答えると
中から真っ白なレースに包まれたものを
大切そうに抱え上げた。

「お!!」

レオが興奮したように声を上げる。


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