第23章 Op.23 宣言式

「You raise me up to walk on stormy seas」

ルイに向けた、レオナの思いが
歌詞に乗って響いて行く。


……あなたがいてくれるから

険しい山の上に立ち、嵐の海を歩けるの……



レオナののびやかな声は

失っていた時間を感じさせないほど


美しく、天高く、

どこまでもどこまでも広がっていくようだった。





大広間には

ノアのピアノと

レオナの歌声だけが静かに響き



多くの者たちは

涙しながら彼女を見つめていた。




（ルイ…ありがとう）

ルイの方へまっすぐ手を伸ばし

「I am strong when I am on your shoulders」

（あなたの支えがあるから、私は強くいられる）


そしてその手を横に広げ

「You raise me up to more than I can be」

（あなたたちの力が私をここに立たせくれてる）


王宮の皆一人一人を大切に目を合わせる。






鳴りやまない拍手

途切れることのない歓声。



ワールドツアーの何倍も

強く、熱く感じることのできる…声。





気付くとノアが思いきり抱きしめてくれている。

「ノア…」

「今だけなら…いーよね？俺が独り占めでも？」

「…もう」


ノアはいたずらな笑みを浮かべると
レオナと並び、拍手喝さいを浴びた。