第21章 Op.21 Revival
クロードは抱きしめていた身体を離し
目を見開いてレオナの顔を見た。
しかしもっと驚いていたのは
レオナの方だった。
「…クロード」
口元に手を当て、目を見開いたまま
クロードの名を呼ぶ。
「…レオナ……」
「……クロード…っ」
レオナの目からはぶわっと涙があふれ出した。
「レオナ!!」
クロードは再びレオナを抱きしめた。
レオナもクロードのことを抱きしめ返す。
「声……出た…」
まだ僅かに掠れたような声ではあるが
それでもはっきり聞き取れる発音だ。
「良かったな…本当に良かったな……」
クロードは子どものように
嬉々としてレオナの身体を抱きしめていた。
「く…苦しい…」
「あ…すまない…」
クロードはレオナの身体を解放する。
お互いの顔が涙で汚れていて
二人は顔を見合せて笑った。
レオナの笑い声もちゃんとそこにある。
「…なぁ、レオナ」
「…ん?」
「俺は、お前のこと、本当に大切に思っていた」
「……うん」
「あんな形で嘘をつき続けて、お前を傷つけたこと、謝りたい」
契約を振りかざしていた日々のことを言っているのだろう。
レオナは頷く。
「お前を大切に思う気持ちは…変わらない。
どこで、誰と、どんな形で何をしていても…
お前が幸せであればいいと、心から思ってる」
「クロード…」
「ルイのところに…帰りたい、だろ?」
レオナは少し切なげに眉根を寄せたが
黙って深くうなづいた。
「もうこうして会うことはないと思うが…」
するとクロードは少し顔を染めて視線を泳がせた。
そして躊躇いがちに
レオナの顔に近づく。
「………ん」
触れるだけの
しかし、長い長いキスが
優しく落とされた。