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【100プリ】Wistarian Diva

第21章 Op.21 Revival



Claud side----



ルイから突然連絡が来て
その内容を聞いた時

…正直胸の鼓動が騒がしくてうるさかった。


どんな顔をして会ったらいいのか分からない。
今更、自業自得といえばそれまでだが。





ざわつく心と向き合う暇もなく
あっという間に約束の日、約束の時刻になってしまった。


ルイと王宮に来ているらしく
車で迎えに行くことになっていた。



正面玄関に車を止めて降り立つと
そこには見知らぬ女性のシルエットがあった。



(ん……?)


「レオナか?」


声を掛けると、その女性が振り向く。


長かった髪がバッサリと切られ
シンプルな花柄のワンピースを着ている。


顔色はすっかり良くなり
少しあどけない顔をしている。


「ずいぶん切ったな…誰だか分からなかった」

レオナは嬉しそうに微笑み、クロードの元へやってきた。



手には小さな黒板が握られており
まだ声が出ないことを物語っていた。


「その恰好なら、城下に出ても誰も気づかない。久々に回るか?」

レオナは一瞬ためらうような素振りを見せたが

「大丈夫だ、怖くなったり途中でつらくなったらすぐルイのところに帰してやる。約束だ」

クロードの力強い言葉に、こくんとうなづいた。








クロードは城下の市場通りや雑貨店
行きつけのブティックなどを数件回った。

道行く人はもちろんのこと
入った店の店員たちも
レオナに気付く者は誰一人いなかった。




「少し休むか…」

ウィスタリア城下が見渡せる高台にあるベンチに
二人は並んで座った。



「…案外気づかれなかったな」

クロードの言葉にレオナは頷く。



クロードはずっと気になっていたことを
思い切って尋ねてみた。


「なぁ、レオナ」

レオナはクロードの顔を見る。

「どうして、俺に会ってくれたんだ?」


レオナは少し目を伏せて笑むと
鞄から何かを取りだした。

それは手紙だった。


「俺に?」

こくり、と頷く。


クロードは真っ白な封筒から手紙を取り出し、
文字を目で追っていった。


「…………」


クロードは表情を変えずに読んでいく。

レオナは少し不安そうな眼差しで
その横顔を見守っていた。



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